
~Maestro Juan Tamariz episode 1~言霊は国境を超える。紙ナプキンに描かれた魔法の国への地図
最後の日本ツアー
2011年のFISM Asiaの出来事以降「Tamariz氏に習いたい」と言い続けていたある日。
氏が日本ツアーを開催することを知りました。
年齢的なこともあり「これが最後の来日になるかもしれない」と噂されており。
私は居ても立っても居られず、氏が日本で行う会に参加しどうにか直談判出来ないか機会を伺っていました。
そして運命の瞬間は箱根で訪れました。
箱根クロースアップ祭
その日、箱根では老舗マジックショップ・マジックランド主催で「箱根クロースアップ祭」が開催されていました。
このイベントは日本で最も有名なクロースアップ・マジックの専門的かつ伝統的なコンベンションで、そこには日本中から名だたるマジシャンが集結し朝から晩までレクチャーやゲストマジシャンたちによるガラショー、1ネタコンテストなどが開催され、今回のメインゲストがJuan Tamarizその人でした。
参加しているマジシャンたちがお互いのマジックを見せ合い、交流を行っているなか。休憩中のTamariz氏が会場の食堂でラーメンを食べている所に遭遇しました。
助け
しかし、その当時の僕は今よりも英語が拙く何より憧れのマジシャンを目の前に頭が真っ白になってしまいました。
行くなら今しか無いと言うタイミングで「一体なんと言って良いのだろうか?」とこわばっていると背中から肩を叩かれました。
そこにいたのは海外のマジック解説DVDの翻訳を行うスクリプトマヌーヴァの代表・滝沢敦氏でした。
滝沢氏は今回の通訳を担当しており、僕がTamariz氏の元で学びたいと言うのも知ってくれていました。
そして何と「行きな、助けてあげるから」と背中を押してくれた上に通訳をしてくれたのです。
あの時、助けてもらわ無ければスペインに行く事は出来なかったかも知れません。
滝沢さん。あの時背中を押して助けてくださり誠にありがとうございます。おかげで僕はTamariz氏の元に行く事が出来ました。その経験は今でも僕の宝になっています。
この場を借りて改めて感謝申し上げます。
紙ナプキンに描かれた地図と「魔法のチケット」
「あなたの元で学びたいのですが、どうすればいいですか?」
突然の不躾な直談判。
しかし、彼は嫌な顔ひとつせず、僕の情熱を受け止めてくれました。
彼は目の前にあった紙ナプキンを手に取ると、ペンを走らせました。
「マドリードにはこんなマジックの学校がある、バルセロナにはこういう学校があるね…」
スペイン国内でマジックを学べる場所の地図を、即席で描いてくれたのです。
さらに、彼は私にこう告げました。
「今年の7月〜9月の3ヶ月間は執筆活動のためにカディスという街にいるから、よかったら遊びにおいで」
そう言って、なんと自身の電話番号を紙に書き渡してくれたのです。世界的な大スターが見ず知らずの日本の若者に対して見せた、信じられないほど寛大で温かい対応でした。
↓当時のメモ
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いざ、スペイン・カディスへ
その後も多くの方の助けを頂き。
私はすぐさまスペインへ渡る準備を始めました。
当時はまだ23歳。言葉の壁も、見知らぬ土地への不安もありましたが、それ以上に「世界最高の人から学びたい」という情熱が勝っていました。
そして数ヶ月後、私は本当にスペインへ飛び、タマリッツ氏の家に1週間泊めていただきながら、マジックの神髄に触れることになります。
しかし、彼から教わったのは私が予想していたような誰も知らない秘密の技術ではでは無く。基礎中の基礎だったのです。
おわりに:情熱は国境を越える
このスペイン行きの経緯は僕のキャリアにおける大きな財産です。
今自分は「どうなりたいのか」を周りに公言しする事でチャンスがめぐり。
思い切って一歩を踏み出し、情熱をぶつけることで、人生の扉は思いがけない形で開くことがあります。
多くの方の応援とタマリッツ氏から受け取った紙ナプキンの地図は私を単なるスペインという国へ導いただけではなく、「マジックとは何か」を探求する終わりのない旅へと導いてくれました。
この旅の続き、そしてスペインの地でTamariz氏から何を学び、何を感じたのかについては、また別の機会に詳しく語りたいと思います。

