
顧客の記憶に強烈に残る『口コミの法則』
「なんか凄かった」は三流の仕事
マジックを始めて約1年が経った頃。
私はマジック業界でその名を知らない者はいないマジック研究家・松田道弘先生の研究会に参加する為の面接を受ける為神戸へ向かっていました。
待ち合わせ場所の新神戸駅に現れた面接官・福岡さんは、小柄で髭を蓄え独特のオーラを放っていました。
元町へ向かう電車内で渡された名刺には大きくこう書かれていました…
「人の正しい騙し方:モハメッド福岡」
言葉を選ばずに言えば「なんて胡散臭いおじいさんなんだ…!」というのが私の第一印象でした。
(※実は後になって、カバン一つで世界中を回り「マジックで飛行機を止めた話」「悪魔だと勘違いされて殺されそうになった話」「ハエ取り名人だった話」「ギャンブラーとの一騎打ち」などなど数々の伝説を残したとんでもない人だと知ることになるのですが、それはまた別の機会に)
読み込み中...※モハメッド福岡氏in元町商店街
「食えんかもしれんぞ」プロへの覚悟
読み込み中...
元町にある明石焼きのお店「タコの壺」で面談が始まると福岡先生の雰囲気は一変。
《福岡さん》
「クロースアップマジックでプロになりたいんやな?」
《王子》
「はい」
《福岡さん》
「正直に言うけど、食えんかもしれんぞ。それでもなりたいんか?」
厳しい言葉でしたが私の決意は揺らがず「なりたいです」と即答しました。
すると先生は「わかった。それなら、いろいろと教えたろう」と、私の最初の先生になってくれました。
「なんか凄かった」は三流。一流の『口コミの法則』
早速、その場で私のマジックを見てもらうことになりました。当時の私はとにかく複雑でごちゃごちゃした手順の今となっては思い出すこともできないような自己満足のマジックを披露しました。
それを見た福岡先生の感想は、たった一言。
「ようないな(良くないな)」
そして、私にこう問いかけました。
「いいマジックとは何か、知っとるか?」
答えに窮する私に、先生はビジネスにも通じる本質的な法則を教えてくれました。
《福岡先生》
「マジックをお客さんに見せるやろ? お客さんが家に帰った時、周りに『今日マジック見たよ』って話すはずやな。そこで『どんなマジック見たの?』って聞かれた時、そのお客さんが
『えーっと、なんか覚えてないけど凄かった』
って言うのは、良くないんや。
いいマジックっていうのは
『どんなマジック見たの?』って聞かれた時に
『サインしたカードをトランプの中に入れて指を鳴らしたら、一番上に上がってきたんだよ』
って言葉でハッキリ説明できて印象に残る現象のことなんよ」
記憶に残る仕事は言葉で説明できる
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「なんか凄かった」という感想は一見すると褒め言葉のように思えます。しかし、言葉で具体的に説明できないものは他人に伝えることができず、決して口コミは生まれません。
「顧客が自分の言葉で説明できるほどシンプルで強烈な体験をデザインすること」
これこそが顧客の記憶に残り、人から人へと伝わっていく『口コミの法則』だったのです。
その言葉の直後、先生がその場で披露してくれたのは、「右手のコインが左手に移動する」という極めてシンプルながら非常に不思議なマジックでした。
「なんか凄かった」という自己満足の仕事から脱却し
顧客の記憶に強烈に残る仕事をする。
この日の出会いと教えは私のマジック、そしてプロとしての仕事の揺るぎない基礎となっています。
少しでもお楽しみ頂けたのであれば幸いです。
それでは皆さんご一緒に
✨🎩Let's Enjoy🪄✨





